詩人:剛田奇作
夢を見た 一面、漆黒の闇だった 一寸先すら見えない 私は誰かの手を引いている 強く握りしめている 握りしめたまま必死に走っている ふと顔を上げる目の前には巨大な白い塔がそびえ立っていた不気味な白さで 息が詰まるような闇の中 恐ろしいほどの存在感そそり立つ 存在感私たちを呼んでいるように恐ろしかった行きたくない あそこへは きっと二度と帰れなくなるそうだ 帰りたい もう 帰りたい私のあるべき場所に 帰りたい