詩人:どるとる
春の風が吹き始めれば 思い出すだろう
あの日のさよなら
多分二人は これ以上ないくらい 愛し合っていた
でも完璧だったはずの二人の愛に終わりが来るのは桜が散るよりも早かったね
ゆらゆら 揺れる影法師が いつの間にか
ひとつになったとき
僕は気づいた
もうあなたはいない
桜色の季節だね あたたかな風に吹かれながら 歩き始めた僕の旅路は 期待よりも不安が先立って素直に笑うことさえもできないのさ
桜はそんなことなんてお構いなしとばかりに咲いている
青空にあなたの面影が浮かんでいる
飛行機雲がたなびいている
そんな春の日に
こぼれた涙ひとつ
旅人が残した足跡さ
この悲しみは始まりに過ぎない
これからが本当の人生だ
心して行け 旅人よ。