詩人:どるとる
誰も僕のこと 信じてくれなくてもいい
悲しみをひとりで請け負って生きてゆくから
へそ曲がりだって思われたっていいよ
さびしさに果てなどないことくらいわかってるから
終わりのない映画の中でやまない雨に濡れながら 別れる別れないでもめてる恋人たちにはどんな明日が待ってるんだろう
孤独だって構わない
ひとりだって構わない
そこら中に転がってる汚いマネキンとワルツを踊るから
切符も銭もいらない
安上がりな旅行さ
君と僕との愛が歯車になって回るんだよ
楽園はここにある
潤いを求めるなら
乾きから抜け出たいなら 愛を探すことだ
楽園を与えよう
神様がいないとか
いるとか なんだとか賛否両論 野次飛ばし口げんかもいいけれど
まずは愛を探すことだ
話し合いの場をここにもうけよう
楽園はここにある
ディベートで和をつくろう
楽園はここにしかない
少し汚れたマネキンはひとり芝居する僕を悲しい目で終始見つめていた
嘘だろう?
嘘だろう?
楽園はないことを知る
僕は愚かな堕天使も同等
楽園が僕を裏切ったのか僕が楽園を裏切ったのか
終わらない映画は続く
セリフを待つ恋人たちを寒い桟橋の上に残したまま
僕らの話し合いも続く
僕らの楽園を手にするための明日を願って。