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詩人:甘味亭 真朱麻呂
必要以上の優しさなんていらない
大切な誰かを傷つける優しさなら願い下げさ
ときに優しさは人の心を平気で傷つける
気づかないくらいささやかな瞬間に深い傷跡をつける諸刃の剣と知りました
だから たやすく優しさを乱用しちゃだめなんだな
心に決めた人以外にあげてはいけません
優しさってもともと要求するものじゃなかったはずだろ
ただひたすらひたすら待つものさ
旅人の帰りを待つ妻のように
王子の来訪を待つ姫君のように
きっと きっと これが優しさだといってしまえば
決まった答のないこの世界でなら確かな真実にもなり得るだろう
だけど だけど 真実ってさたいがい悲しいものが多いから
自分の都合のいいように頭の中でつくりかえようとする
それが人なんだな
むりやりに奪い取った優しさに埋もれて本気で笑っていられるような無神経さは悪いけど僕にはないんだ
今 飛び立っていこう
優しさが待つ場所へ
きれいな思い出がきらめきながら回るよ くるくると速さを変えずに
手を差し出して貰うような優しさはいらない
ふいに生まれた優しさだけあればふたりの幸せは歌いだすだろう
歳をとる事や何か大きな悩みや迷いにも負けないから
僕は頑固にもならないし君がいるだけでストレスなど感じないんだ 僕らの愛はずっとこのカタチでいつまでも胸の中を満たしつづける
言葉でいってしまえばばからしく聞こえるね
それでも誰かがばかにし尽くしたこの愛は僕というひとりの男を孤独から救い出したんだ
なにも知らない奴らになんか何もいわせない
傷だらけの翼でも飛べないことはない
よろめかせた足を蹴り上げて大地からはなたれよう
人より少し悲しみへの免疫が少ないだけでばかにされるいわれはないよな
もって生まれた素っ裸の重力でいつも自分らしく生きていくよ
それが一番人らしい生き方。