詩人:どるとる
さよならなんて言えないよ 君につぶやいた
僕の小さな声
君は何も言わずに
ただ 飲みかけのコーヒーをじっと見つめながら ため息こぼした
世界で一番好きな人
大げさに言ったら
そんな感じかな
本当だよ
窓の外は雨 僕らの気持ち感じ取ったように土砂降りのまま
弱まる気配も見せないよ 君が飲みかけのコーヒー飲み干したら 僕らはもう
君とはもう会えない
さよならしてしまえば 僕らはもうなんの関係もない人同士さ
街で偶然出会っても
きっとお互い気まずくて 目すら合わせられない
だからさよならするなら もう二度と会わないように
悲しい記憶がぶり返さないように
世界の端と端へ
逃げ出したい
君はじゃあねと残して 僕に背中を見せるのさ
残された レストラン 向かい合わせの席なのに僕はひとり 何をやっているんだろう
外は雨
弱まる気配もない
土砂降りの雨
しばらくは
やまないだろう雨
僕はだれにもわからないように隠れて泣いた
遠い昔の恋
タイトルをつけるならば 雨のレストラン
もう潰れて今はない。