詩人:甘味亭 真朱麻呂
僕もいつか年をとって
この世から跡形もなく名残を残して消えていくのか
今日明日と毎日がまるで追われてるかのように
気づけば今日も遠い日として思い出すのだろうな
ちょっぴり寂しいな
長く伸びた道
細い路地
二つの影を落として
幼い僕と君
手を繋ぎながら家へと向かう
今となればそれは叶わなかった初恋の人だったな
見上げた空の色はきれいなだいだい色
通りかかった公園には誰もいなく
ただたださっきまで遊んでいたのか
ブランコが僅かに揺れていた
風のせいかどうかはわからないけど
ブランコがさびしく揺れていた
あの子は今もどこかで元気してるかな
もう会うこともないけれど
そんなこと思ったりして不意に笑みがこぼれて
あの日が少しだけ名残惜しくて
思い返してみたりして
冷え冷えとした冬の風の中
家の方へと向き直り歩き出す。