詩人:高級スプーン似
顰める繭
(蚕)われたセカイから
羽っ化り外に出た奴ら
二度と孵ってきやしない
トびたくないけど
あの頃には戻れない
未完成の完全変態
じたばたしても
じっと待っても
片脚突っ込んで
黄泉に逢いに逝くんだ
いつかは終わる
はじまりの過程
溜めに貯めた経験を
排出しては
ぶら下がる
それでも落ちる
いつかは
生身を捨てて
翅を伸ばす
薄情な奴らには
成りたくないな
一生を終えても
このままで
尻尾をくわえて
いつまでも
繰り返し
永久に
閉じ籠っていられたら
いいのにな
2010/12/20 (Mon)