詩人:甘味亭 真朱麻呂
夢から覚めるように
目を開けたらそこはどこなんだろう
白い光に包み込まれ
終わりの時間が過ぎたのにまだ息してる
壁に向かって投げたボールが跳ね返って
こちら側に戻ってくるように
全ての出来事は日常の左右するまま進む
願いばかり空に祈り
願ういはするも決して叶いはしないから空は僕の願いで埋めつくされ月は隠れて星さえも見えない
神の手で野放しにされた凶悪な感情が日との中に入り込んで
今日の憎しみを生む
人は闇に染まる
悪夢から目覚めたくて
正夢になってはほしくはなくて
必死に夢の中から這い出して逃げてる
その後ろから追いかけられて
もうすぐで追いつかれそうなんだよ
少しずつ空に記憶が流れていってやがて全て忘れてしまう
遠ざかってく思い出が僕の中でこれ以上薄まらぬように
ただまた願うだけ
繰り返し 繰り返し
さびしい光の中
おり返し おり返し
何度もおとずれる夜
僕らはその中で約束しあったんだ
いまさら痛みだした胸の傷が ひらいたらしい
また記憶がよみがえる
それはいつかと同じ夜に
記憶に直接入り込んで
痛みと目眩を併発させ
襲う長い夜 どこまでも続く霧深いただひとつの夜
されどいつもとなにも変わらない夜
今宵、百鬼夜行
窓の外には目も覆うほどまぶしい満月
満潮と引き潮の幻
今宵、百鬼夜行。