詩人:カクレクマノミ
非日常を思い描いても
つま先より頭の頂まで日常に浸かる
変革を望んで変色させた心はろくでもない日常を回す
早々に芽生えさせた感情は偶発的なものと錯覚
想像に力を加えただけのもの
唐突に口先を転がる薄っぺらい言葉は
往々に見つかる薄っぺらい僕
忘れたいことを春風に吹き飛ばしたつもりでも
初夏の風で舞い戻る
雪解けの川に流し捨てたつもりでも
波となって海岸に打ち寄せる
いつの季節も後悔と相対して
罪悪感をも取り込んだ記憶の一撃で膝から崩れ落ちる
いつの季節か完璧に溶けきってくださいますようにと願う
初夏の夜