詩人:机上の空論
あなたは死ぬってことが判ってるんですか。
人の命がなくなるということ。
周りの人から消えてしまうってこと。
記憶が途絶えてしまうの。
仮にあたしとあなたは何かの繋がりがあって
あなたは死んでしまう。
そしたらあたしはこれからあなたに会うことはないし
これからのあなたに笑うこともできない
怒ることも泣くことも。
話しかけることすらできない。
返事も相槌も会話もできない。
あなたの記憶は「あの時」で止まってしまうの。
ひとり置いていって先に進んでいかなきゃならない
この気持ち判りますか。
死なないで、っては言えない。
それはあなたが選んだ道だから。
でもそう思ってることが判ってくれたら。
あたしはどんなに嬉しいか。
そしてあなたが死ぬことを辞めたなら
死のうと考えることを辞めたなら
どんなに嬉しいか。
判ってくれたらあたしはどんなに嬉しいか。
それくらいは判るでしょう?
あなたが生きていて欲しい。
あなたにどんなに災いが起ころうとも。
あなたは生きていることが幸せであってほしい。
これから悪いことはもっと起きるでしょう。
でも良いことももっと起きるでしょう。
ね?もう少し、生きたくなってきたでしょ?