詩人:夜深
赤いりんごのような
夕焼けを
さいきん見たことがなかった
けれど
酸っぱいオレンジの陽射しは
毎日にように受けてるよ
オレンジの陽差しは
肌にべったりくっついて
まるで 君を求めるわたしみたいだった
もし君がいま
そばにいるなら 手をつないで
腕が千切れてしまうほどにしがみついて
"どこにも行っちゃだめ"って言うかも
もし夜がいま
この寂しさを埋めてくれるんなら
ねえ どんどん暗く暗くなっていけよ、夜
夜が暗く深く沈めば
この宙ぶらりんの甘さだって溶けて消えるはず
瞳に映る 君は
いつだって朝のように
元気でかがやいているんだ
瞳の濁る わたしは
いつだって夜のように
内気で自信のない子みたい
夜にひとり
目をはらし泣いてるわたしを
明日の朝の
空を晴らし笑顔にしてくれる君は
小さくて卑怯でその上、卑屈なわたしを
絶対に強くしてくれる太陽だ
太陽は風を受けても揺らいだりしない
太陽は雲に覆われても空の上で落ち着いてる
って
思ってたけれど 君だって人間だよね
君だって泣くよね
大声でわめいて 何で泣いてるの?
ああ そうか
君には人の痛みが分かるんだね
それってすっごく素敵だと思うよあたしは
君が泣いてるとわたしまで
悲しくなった
不安がよぎって胸が詰まった
ねえ お願いだから君、笑っていてよ
わたしは君をみてるから
君みたいな人になりたいって思ってるんだ
流れ星は世界の裏側に
すっと消えちゃって
朝もやのピンクは昨日の空想に
ぱっとなくなった
赤いりんごのような
夕焼けを
さいきん見たことがなかった
けれど
酸っぱいオレンジの陽射しは
毎日にように受けてるよ
朝から毎日
降り注いでくれる明るい 勇気の陽射し
わたしの太陽は
勇気を燃やして 弱さを燃やして
今日も高い高い空の上
わたしの夜は
勇気を溶かして 弱さを溶かして
明日の朝へと飛び立つ準備をしています…
「勇気、一粒。希望、ニ粒。」
「感情、三粒。強さは無限。」
明日へ飛び立っていけ、
小さな世界に生きる
私の小さな勇気たち