詩人:甘味亭 真朱麻呂
まったく今日はどういう風の吹き回し?
いつもならば怒るようなことも笑ってすます君は
とことん気ままなやつさ
でもそんな君も好きだから一緒にいるの
もっと知りたいから
もっと知っていきたい
豆腐屋のおやじが自転車手で押して家の前を通ってく 不器用にラッパ鳴らして
そんなもんだよ
偶然なんて
箱を開ければつまらないもんだよ
不快な気分で望んだわけでもない肉親に囲まれて
笑えるやつならそれは幸せなケースだな
でも世の中にゃ金積まれて頼まれたって会いたくなかったような人が母や父になる場合もある
理不尽な世界の中を今も駆け回る 心の中の命のタイマーがゼロになってしまう時を気にしながら
地球が回るのと同じように僕もせわしく動きまわる
這いずり回るありんこのようにうじゃうじゃうごめくんだ
明日へとはこんでく
明日に着くまで落とさないように
大切な大切な昨日の僕からの預かりもの
それは今日の僕もまた次の明日の僕へと繰り返し渡してく
たったひとつの大事なメモリー
気をつけながら不安定な足場を慎重に歩きながら
やっと感覚をつかめてきたところさ
風来坊の君に似ているね
この時の流れ
そして予想もつかない運命の転がり
コロコロ ゴロゴロ
上へ下へと下ったり上ったり忙しい日々を目を回しながら生きてる
知らないあいだに筋肉もりもり
今日も僕よごくろうさんでした 夕暮れ
今日とのサヨナラは一度通ったら開かない踏切
電車が金網の向こうで線路に沿いながら猛スピードで走る
姿も見えぬ車掌は声だけでなおこの電車は各駅停車でなく
特急なのであしからず
吐き捨てるみたいにつぶやけばまばゆい光のトンネルへ消える電車
トンネル抜けたらそこは念願の明日です
ガッカリするな笑うやつの両隣で泣く人よ 君にもそのうちいい日がめぐる筈だから。