詩人:まとりょ〜鹿
幸せが自分に向かって微笑みかけていたのに
他者に奪われ、空白な不幸が埋め尽くされた
憎い憎いと自分可愛さで悲劇のように語れば
きっと他者がそのスペースを埋めに寄ってきて
ただそんな気がしてきて
またきっと満たされますと信じて呼吸を止めない
永久的に、さも長編小説のように螺旋階段を上がれば
所々に触れたことのない原石が点々と落ちていて
ダイヤなのか、ただの石ころなのか懐にしまい込んでまた螺旋階段を登り
踊場で多種多様なスタイルで踊る他者と出会い
互いに拾い集めた原石を品評し合い定め合い
要らなきゃ荷物と置き捨て、貴重だと分かれば首から下げて階段をある程度の距離まで共に進む
懐かしき他者を見下ろし思い返せば
登る足取りが遅くなった気がするが実際0,1秒遅れはない。
上に近づく度に見慣れたアイテムと似た他者が踊っていて
横目で過ごせば知識を欲する頻度も減った気がして逆らってなるべく意識して行動するから下の頃から行動頻度は変わらない。
そして繰り返し登れば螺旋階段の最上階に行かずとも気が付く。
錯覚だったのだと。
でもまだ満たされますと呼吸を止めない