詩人:遥 カズナ
月の出る夜が好きだよ
いや
どんな月でも
好きな
わけではない
うっすらと
ぼやけた月
大気が湿り気をおびて
そうなるのか
僕が赤ちゃんの頃の
母親には
紙オムツなんて無かった
白い綿の布を
汚れる度に
一生懸命に洗濯して
物干し竿に干して
太陽に殺菌してもらった
清潔なオシメが
あてがわられていた
母の性格からして
汚れたまま
放置された事は
ほとんど
無かっただろう
なんだろう
清潔な綿の匂い
月を
うっすらとぼやかす
赤子と綿のオムツ
何もかもが
ぼんやりと
しているのに
気持ちが良い
2020/07/07 (Tue)