詩人：甘味亭 真朱麻呂

記憶の中にもあまりないお母さんの顔
だから今 僕は悲しいのです
お母さんはとても優しかった
それだけはなんとなくわかってる

たとえ予想と違ったお母さんでも会いたいな
幼い日ふとしたことで生き別れになったあなたに

息子は今 会いたくて とても会いたくて
迷子センターの呼び出しを世界に流したいよ
そうすればお母さんはきっと気づいてすぐに会いに来てくれる
笑顔と涙を浮かべた予想にあるやさしげなあの顔で

僕を抱きしめてくれる

そう思った

現実なんかがこうまで厳しくなかったら
あなたに会えたのに
他人は知らないふりで取り合ってもくれない
せいぜい通り過ぎたりあわれまれるのが関の山さ

でも、僕はあなたに会いたくて 会いたくていろんなところ捜したんだ
それでも見つからないよ
情報がなさすぎて
だけどあなたも今でもどこにいるかわからない僕を同じように捜してたらいい

そして捜しあう中で捜してる背中と背中同士がぶつかって
偶然にその人があなたならいいのにな
なかなかそうはならないのが現実だから
せめて消息だけでも知りたいのです

親心 子の心
どちらも真心に変わりはないから
きっとあなたにも
僕にもいつかどこかで巡り会える奇跡がめぐる

小さな偶然にも目をそらせられない
僕はあなたに会いたい 本心からの願いなんだ
それが叶えばもうなにも望まない なにも要らない

あなたに会えるならばこれ以上素敵なことはないんだ

あなたに会いたくてこぼした涙 数えきれない
あなたに会いたくてボロボロになった泣き顔もぜんぶ

それからのつらかった日々

すべて ぬかりなく伝えたい
そして会えたときの素直な気持ちを言葉にしたい
あなたと僕の涙と笑顔同士をぶつけて

その日からあなたとふたり暮らしたいな。