詩人:ユズル
妄想の世界を繰り広げて
夜を楽しめるほど
子どもじゃなくなった
ふいに戻される
虚しさの空間に
振り向かない人を
好きでいられるほど
子どもじゃなくなった
叶わない哀しみに
重たい体
好きじゃない人を
好きじゃないと言えるほど
子どもじゃなくなった
情さえ枯れたとしても
壊すのは面倒くさい
仕事だとか結婚だとか
将来だとか地位だとか
この世界でわたしはこれまで
何をしてきたのだろう
見えなくなったしまった目で
動けなくなってしまった体で
枯れてしまいそうな心で
成長とはどういうものだろう
けれど
偏見や先入観に縛られず
人を尊重できるほど
大人になった
自分にとって恋や愛とは何か
見つめられるほど
大人になった
自分の憧れを憧れで終わらせず
努力する世界にいられるほど
大人になったじゃないか
すべては自分次第だと
きっとまだ輝けるのだと
世界はわたしのものにも
みんなのものにもできるのだと
わたしは君にそう言うよ
子どもじゃない
大人のわたしだから
失った世界の大きさに
もっと輝けるはずだよ