詩人:カィ
雨に打たれるように君が泣いていたんだ
振り返る君が笑うから
思わず後ろから抱きしめたくなって
かけよろうとする僕を君は目線で静止させる
どうか僕の傘に入ってくれませんか?
君を僕に守らせて
君の強がる後ろ姿に
なんて声かけていいかわからないんだ
何もできなかったあの日
テレビの向こう側は違う国の話をしてるようだった
マンガのような
小説のような
本当のはなし
それでも僕は生きて生かされているから
何もできなかった後悔を抱えたまま
君が笑顔でいることを祈ってる
人間は無力だ
大事な時は祈ることしかできない
それでも祈らずにはいられないのは
僕をそうさせるのは
振り返る君が笑ったから
じゃあねと手を振る君が
笑ったから
どうか僕の傘に入ってくれませんか?
君を僕に守らせて。