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[17973] 夜の、きりん

詩人:望月 ゆき

はっきりと見えない
セロハンのような
それ 一枚が
へだてている
ような
わたしたちは
角度によって
ときどき 見える
それ のせいで
近づけずにいた

沈黙に見とれてしまいそうで
そこから逃げる
ために
あなたは夜ごと
動物園にさそう

海沿いのコンビナート
あちこちに
オレンジに点滅する
きりん
柵の外のわたしたちは
夜の景色
に溶かされると
すこしだけ 近くなった

さよならと言うには
はやすぎた

へだてていた
それ が
ほんとうは
ふたりをつないでいたのだ

今ならわかる
のに

さよならと言われたわけも
今ならわかる

恋が
終わったのだ


2004/10/08 (Fri)
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