詩人:どるとる
春のあたたかい日差しに揺れるたんぽぽ
青い空によく似合うやさしい綿毛のダンス
土手沿いに咲いていた黄色いたんぽぽ
今ではもう寒すぎてたんぽぽにはいられないから姿を見せないけれど
たんぽぽはまた僕の瞳の中に咲くだろう
あのほがらかな姿でまた僕をやさしい気持ちで満たすだろう
ああ 春のあたたかい日差しの中でただやさしい夢を見ていたい
やがて白い雪にうもれた春が芽を出すまで僕はきっと両手すりあわせながら
たんぽぽのあの笑顔を
たんぽぽのあの手触りを
待っている
たんぽぽは僕を待ってくれているかな
今も僕の心の中にあるイメージの中で揺れてるよ 春風に踊って 揺れて 笑って
くすくすとかわいらしく笑って
黄色い君の笑顔を夢見て舞い降る雪に僕は包まれよう
冬の白い日々がやがて君の黄色い日々に塗り変わったら
僕はまたあの土手に出かけよう
君に会いに
君に会いに行こう
冬もはじまっていくというのにもうとうに過ぎた春を懐かしんでるなんておかしいかなぁ
だけれど会いたくなるものなのさ
春の日差しを忘れてしまったわけじゃないけどどこかそのぬくもりの愛らしさを恋しがってるから
会いたくなったのさ
たんぽぽという名の春の妖精に
たんぽぽという名で春を思い出して
僕はたんぽぽに会いたくなった
その時は凍りついた僕の心を溶かしてあたためてね
たんぽぽにお願いするのさ
寒い冬のはじまりに心にぽっと咲いた冬のたんぽぽ。