詩人:中村真生子
大山に20センチも雪を降らせた雲は去り小春日和の良い天気。海も空も青く砕け散る波は夏の海のように白くまぶしく…。迫り来ていた冬が少し遠ざかる。ほっと息をついてしばし還ってきた秋を楽しむ。洗われた空気の中で一段と美しく光輝く秋を…。頭の片隅に昨日垣間見た冬を残しながら…。こうしてだましだまし天は冬を連れてくる。こうしてだまされだまされ人は冬を受け入れていく。受容と諦念のその淵で…。