詩人:どるとる
モザイクがかかったような
何も見えない未来に
無謀な期待しても
結局裏切られるのが
オチと現実的な夢しか見なかったさびしい少年時代よ 今思えばバカだったと思うよ
あの頃 よく土手で
日が暮れるまで
遊びまくった
みんなは
元気だろうか
いつの間にか
大人になって
つまらない
毎日に
ため息ばかり
こぼしている僕だけど
追いかけて
追いかけて
追いかけても
追いつけなくて
追いつけなくて
でも追いつきたくて
あの頃見たような
身も心も真っ赤に染める 夕暮れの赤い色
まだ 僕は 夕日を追いかけてる
古いアルバムの中に
閉じこめられた思い出よ できるならもう一度よみがえれ
平成の世に溢れかえってる
便利な道具に僕も助けられている
あの頃から考えればハイテクな未来に生きてるけどどこか大事な何かが 薄らいでる気がするんだ
押入の中から
出てきたグローブと
プラスチックのおもちゃのバットと
懐かしい ゼンマイ式のロボット
あの頃、おねだりしてやっと買ってもらったのに今考えればくだらないゴミも同じだね
そんなふうに思うくらい僕は腐った大人になっちまった
社会の汚い空気にさらされて 心もすさんだ
見に行こう
見に行こう
見に行くんだ
飛び出していく
飛び出していく
今飛び出していくんだ
あの頃見たような夕日をもう一度見ればきっと心洗われるような気がして 区内で一番高いビルにのぼって 屋上から 沈む夕日を眺めたよ
でも不思議だね
涙あふれるくらい
綺麗なのに あの頃見たような夕日じゃないんだ
大事なものは きっといくらお金を出しても もう戻らない
あの頃の僕にとって大事なものはおもちゃのロボットでも野球のグローブでもプラスチックのバットでもなかったんだ
きっと その時代に生きている 僕の中で燃えていた 今をただ一生懸命遊ぶという自由な気持ちだったんだ
って僕は泣いた。