詩人:あかつき
果てしない夜のやみでも
ぜんぜん恐くない
ひそむ月にむかって
凛々しく吠えてやる
例えこのまま独りきりでも
ぜんぜん構わない
群れて誤魔化さずに
勇ましく吠えてやる
でも本当のところは
不安でしかたがない
もしきみが知ったら
間違いなく笑うだろう
虚栄心を照らす月が
憎くて吠えている
群れの端の猜疑心が
恐くて吠えている
夜な夜な鏡に映った
自分にも吠える始末
眼を凝らし牙を研いで
孤独をえらぶのは
勇気じゃないよ
まして強さなんかでもない
ねぇ気づいている?
僕の不安が分かるのなら
うすぐらい月のしたで
あまいキスをおくれよ
『…ダレカ!!…』