詩人:どるとる
さよなら 幻の日々よ
花びら散るように
訪れた夏の季節
蝉しぐれ長い坂道
汗流して
緑の中
あなたは笑う
見上げてみれば
ほら一面の星空
夏祭り 浴衣着て
あなたが手招きするよ
特別なことは多分何もなかったように記憶してるけど
かけがえのない夏だったよ
スイカの種飛ばし
縁側で競った
とれたての野菜に
かぶりついた
海にも行った夏休み
焼けた裸がひりひりするけどそんなこと気にしないで毎日
虫取りに 秘密基地ごっこ
日が暮れるまで
友達と街のはずれまで自転車で冒険したよ
そして夜が来て
みんなで行ったキャンプで見た星空は今も胸の中に広がってるんだよ
綺麗だったな
あの夏の思い出ひとつひとつ 思い出せばどれもこれも素敵な思い出だったよ
僕ら遊ぶのにも必死になって 夏を体中で楽しんでいたね
かけがえのない夏
今は遠い蝉しぐれ
だんだん遠ざかって
また もう少しで
あの懐かしい夏の音色が聞こえてくる
風鈴がチリンと鳴る
からんと麦茶の氷が溶ける
畑で咲くひまわりと
毎日のように食べていたアイスクリーム
畳の部屋に寝転んで
いつの間にか夢の中
目覚めたら 大人になってたような気がする
今はもう 遠い遠い日の夏
かけがえのない夏。