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詩人:未知
近況を考えながら
拝啓、と書いた後
ふっと我に返ってペンを置いた
どうせ君は今だって
手紙なんて
絶対に書かないタチでしょう?
どうして電話やメールで
済まさないんだって
そんな面倒なこと
いい加減よせよって
もしかして怒るかしら
私のこんなところに
君は嫌気がさしたんでしょう
煩わしく、なったんでしょう
伝えたいことぜんぶ
詰め込んで押しつけて
そんな重すぎる手紙の束が
疎遠にさせる
解っていて私は
また便箋と切手を買う...
この瞬間にも書き足す未来-
本当にごめんなさい。
私は。取り残されています
それでも巧くは生きてゆけない
君にも時代にももう
愛想を尽かされたく、ないのに