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詩人:おるふぇ
心の中にいる
もう一人の俺
こいつは
他人の不幸が大好きで
他人を見下しては侮蔑し
欠点や短所の粗探しをして
妙に変なプライドが高く
自己を正当化する代わりに他者を否定し責めて裁いて
ツマラナイクダラナイ
斜に構えて
ニヒルな視点から物事を判断する
こんなはずじゃなかった
鈍い重い苦しみ
この心の狭さが生む
化け物野郎
お前は一体
誰だ
お前は本当
俺か
善良な仮面の下で
おぞましい形相で
あえぎもがき
喚いていた
一匹の野獣
常識やモラルという鎖など
通用しない世界で
冷たい孤独にうち震えながら
苛立ちと憤怒と沈鬱の檻の中で
こいつは人格を形成していった
俺の心を巣食う
お前という化け物野郎
飼い馴らすまで
どの位の時間がかかるんだ
一緒に仲良くやろうぜと
差し伸べた手を拒んだ
お前という天邪鬼
遠い昔の記憶の暗闇の彼方
いつしか負った傷や歪み
それがお前の正体なんだろう
許サレタイ、許サレタイ
そう叫んで
また他人を傷つけて
愛サレタイ、愛サレタイ
そうもがいて
また自分を否定して
泣きたいのを我慢して
必死に抵抗してるんだろう
癒されて溶かされて
許されて愛されて
いつしか
お前は俺と
一つになるんだ
なあその時は
穏やかに微笑み給え
どうかどうか
穏やかに微笑み給え!