詩人:夢中人
僕は醜い蛙の子 汚い沼に生を受け 綺麗な池に辿り着いた そこには無数の仲間達 母親蛙が帰宅して 子供を抱き囲いこう言った『お家で母親が待ってるわよ。お帰りなさい』 僕は頷き帰路に向かった でも僕には本当は帰るお家もありません 母は僕を産んでません 本当の母は違う世界に行きました そんな言葉など言えないで 小川を泳ぐ途中 そっと振り返り呟いた 『母の温もりを感じてみたかった』 そっと岩影によじ登り 涙を拭いて 知らぬ愛しさを思い浮べた 僕に愛と言うものが作れるだろうか不安です