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詩人:高級スプーンあと何年
逢魔時
知らない人を殴りたい
ガスマスク越しでも
やられてしまいそうな毒
吐き散らかして眠る横顔
そこだけ切り取れば
アイコンにだって使えそう
ブラウザ上で整列する
どこの誰とも同じ
見分けのつかない
見飽きたフォント
今にも崩壊しそうな
文字の羅列から
探すのは困難そうで
いとも容易い
顔の見えない言葉を武器に
マウントを取り
読み手を撲殺
毒殺しようとする
そんな通り魔
どこの誰とも違う
あどけない寝顔の彼女だけ
黄昏時
泣き疲れて眠る
理由も知らずに側にいて
そっと髪を撫でた