詩人:獏
君と
二人で
いられたら
空気みたく
なれるかもって
風みたく
笑顔でいられるかもって
そう思ったりも
したけど
君のところは
どんな風が吹くのか
僕は知らないからなんだろうな
痛い雨も
強い日照りも
寝苦しい夜も
ここには無いし
なにより
君の本当の悲しみの訳も
まだわからないから
それが
たとえ
僕の悲しみとよく似てたとしても
確かめることも
問い詰めることも
悲しさを深めるだけ
だから
君の言う事が
たいてい僕の言ってほしい事でも
なぜなのか
考えるより
ただ頷いて
悲しいねって
二人で慰めあって
いいんだ
それだけで
錯覚でも勘違いでも
ほしい慰めを
きみがくれるから
僕の素のつぶやきが
君の慰めになるなら
そうだね
つらいねって
泣いてるよ
痛いんだねって
撫でてるよ
どうして君には
それだけで伝わるんだろう