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[127987] 〜あじさい通りの物語〜

詩人:




――霧雨のなか


濡れた髪を伝う雫―…。



こんな日には涙が似合うと
誤魔化したのは

背を向けた後ろ姿――。



あじさい通りをゆっくりと

またゆっくりと歩いては


誰も知らないそんな物語




指先で感じた雨はまだ


思い出にはなりきれずに


繋ぎたい指先のもどかしさもまた


思い出となる雨を感じてる―――……。


「さよなら」と言えない

あじさい通りでは



夕方の帰路へ向かう人たちが



さりげなく通り過ぎていく――…。

2009/09/29 (Tue)
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