詩人:どるとる
言葉にならないくらいの 悲しみに沈んでるあなたを包む黄昏
通り過ぎてゆく季節に憂いにも似た眼差しを向けて 歩き出した雨降りの6月
傘を差しても 悲しみは 避けられない
傘を通り抜け
傘の下の人の心に
布石みたいに悲しみを置いてゆく
傘など放り投げて
雨の中あなたは泣く
僕は何ができるかな
見ているだけで精一杯だよ
都合のわるいことにはR指定みたいにモザイクをかけてしまえばそれでいい
散らかった世の中に
僕は心おきなく笑える場所を探して
さまよう たんぽぽの綿毛
今日もたくさんの優しさを知ったけど
いつも世の中のわるい面も垣間見てしまうから 結局いつも居場所を見つけられずにいるよ
言葉にならないくらいの 悲しみに沈んでるあなたを包む黄昏
通り雨 つかの間の悲しみだと知ってても泣かずにはいられないから 切なさを振り切れず 涙に濡れる土曜日
涙に濡れていた土曜日
目には見えないアンブレラをそっと差し出した笑顔のあなたに恋をした
雨上がりの6月の午後
すっかり雨は上がって 僕の涙も乾いていた
そして二人は
画面の端に消えてゆく
『フィン 』の文字を残し 終わるロードショー。