詩人:甘味亭 真朱麻呂
僕らはくだらないことでも笑いあえる仲さ
いつの間にかそんな時間が愛という感情をふたりの心に抱かせるのにさほど時間はかからなかった
いつしかふたりはお互いを名前で呼び
肩を寄せ歩いてた
冬の寒い夜にはひとりじゃ寒いままだからふるえるからだをあたためあって
ふたりのもつ温度を重ねた
冬のさえた空気の中で踊る白い幻 どこか冷めきったレストラン街の歩道に降る雪
手のひらに落ちてきた雪でさえ消える
はかない命は人も雪もどうやら同じで
なにもかわりなんてなかった
そこに羨むのは間違えだったね
出逢いが生んだ別れじゃないよ
ただ僕ら 笑いすぎた日々を温めすぎただけ 焦げた愛がただあまりにも苦すぎて吐き出してしまっただけのことさ
そう片付けた
色あせた薄幸の夢
それはいつしか窓の内から冬に見てた白い幻
今年もこの白い曇りガラスから広がる幻を目にするんだろうか
占ってた
花びらを一枚一枚
何事かつぶやきながらちぎっていく恋占いのよに
最後の花びらちぎってもちぎってもやっぱり四枚しか花びらがないなら一番はじめは嫌いにしとかなくちゃだめなんだ
わかりきった占い繰り返す 夜にはきっと涙が目尻に積もる
まるで雪のよに
心を真っ白く染めてゆくのさ。