詩人:どるとる
偶然 僕が生まれて
偶然 あなたも生まれて
偶然 今日誰かが生まれて
偶然 今日誰かが死んで
偶然 今日はついてなくて
偶然 今日は休みで
偶然 今日は晴れて
偶然 今日は金欠で
偶然 今日はむしゃくしゃしてる
全ての出来事を偶然だと片付けられればこれほど 簡単な事はないのに 偶然ってだけじゃ 成り立たない何かがある
『理由があるから そうなる』僕もわかるけど 僕らが生まれた理由はって学者に聞いてもわかるはずもないだろう
だって僕らは偶然 生まれたから
必然ならば何らかの理由があるはずだけど
偶然としかいえないような 命が 遠い昔から奇跡のような事を起こして始まっていた
地球が誕生したことも科学でこじつければどうでもいえるけど 絶対正確とはいえないはずだ
証拠となる何かがあればべつだけどそれだって偽物ならば疑いは晴れない
だから 面倒だから
偶然に全てをまかせて こじつけて
僕が生まれた事も
誰かが今日死んでしまう事も偶然で片づけてしまう僕がここにいるんだ
偶然じゃきっと片付けられない現実があることは僕もわかるけど
それを言い始めたら
僕はどうして
ここにいるんだ?
僕はどうして
生まれたんだ?
僕の生まれたことの総てをもしも語れるならばえらそうなこともいえるけどそれを知らない僕らには何も言えない
だから偶然に頼って
いつも偶然で片付けて僕らは目の前の悲しみや喜びを なんとか受け止めようとする
でも偶然じゃ片付けられない命がある
きっと僕がここにいるってことがいちばん僕がここにいる証につながってるんだろう
答えをあげるとすれば 今ここに僕や君がいることが僕や君が生まれた意味で
そして今生きてる理由なんだろう
命はそうやって
繰り返される
いろんな見方やいろんな見解があるけど面倒だから僕は偶然で現実にモザイクをかける
それでも隠せない心がある。