詩人:甘味亭 真朱麻呂
ゴールなんて見えなくたって大丈夫
へっちゃらさ
みんな見えない中でゴールを探してる
それでも生きてる
ばかな顔をしたアイツも アイツも
だから アイツよりマシなボクなら
少なくてもアイツよりは先にゆける
ほらね笑顔がまたもどってきただろ
ゴールなんてたとえなくてもいいよ
スタートした時からなんとなく気づいてた
意味もなく突然にこの広い世界に生まれ落とされ
したがいたくもないルールにただ生きるため楽になるためルールにしたがう
悲しい世の中の風に冷やかされてもなにもいわず岩のようにじっと口をすぼめてドンと立ち尽くす
自分の頑張りなんて誰もほめちゃくれない
親のいない今では自分で自分をほめたって悲しくなるだけだ
また昔のきらめいていた日々を思い出してしまって涙が流れていた
両親の笑顔
あのあたたかいやさしさにもう一度 逢いたい包まれたい
そんな悲しい願いだけがかえらぬ日々のむこうで笑顔と涙のダンスを踊りながら遠ざかり消えてく瞬間に無駄な願いを願うのはよせよと吐き捨てて消えてった
いつの間にかボクも大人になり現実に支配された心だから涙さえ流せない冷たい奴に変えた
憎むことさえ忘れて
ひどく冷たい眼差しを虚空に落としても
きっと僕らそれを形あるものにかえることすらできない
だから もう このへんでサヨナラしよう
もう 二度と逢えない人たちへ 弔いの火を焚いて
最後の涙を流し
やさしさを燃やすんだ
僕が孤独なように
そこにはなんの意味も理由もないけど
ただ 最後に涙にサヨナラする時だけは笑顔になれた自分が心から好きになれた
でももうそれもすぐに過去になる
今だけは 今だけは幻にしないで
ほんの数時間のあいだだけつかの間の魔法にすべてあずけて
魔法にかかったみたいに僕は笑い 涙する。