詩人:サエ
たいせつなものは
どうしてひとつじゃないんだろう
わたしは居るよ
わたしは要るよね
ひとりになるのと
ひとりにさせられるのは
違うよね
嫌われても記憶に残る人と
忘れられたいい人なら
どっちがいいだろう
大体わたしは少数派
言いたいことを飲み込みすぎて
言いたいことも言えなくなって
言いたいこともわからなくなった
そんなわたしが即決したこと
あなたにあとで何を言われて
悩むことになろうとも
何度涙を流すことになろうとも
この決断にひとつの後悔もないこと
わたしの中にもわたしは居たんだ
当たり前の発見にひとり
子どもみたいに喜び照れた
間違えないよう つまづかないよう
だいたいいつも下を向いてた
立ち止まって 息を吸ったら
ひとりでも見上げた夜空は澄んでいた