詩人:あやめ
“○○さん”
この、たった一言で
幸せだと感じる瞬間がある
“○○さん”
この、たった一言で
不幸だと感じる瞬間がある
この違いは何だろう。
私の名前を呼ぶのにはかわりがないというのに。
ある人は私にこう言った
「ちゃんとあなたの名前で呼びたいから」
理由もなく
私の名前を呼んでくれる
ただその彼女の口からでる
そのことば
本当に嬉しかった
また、ある人は私にこう言った
「あなたには立派な名前があるんだからさぁ」
消えてしまいたかった
私の名前は
私の名前でないような気がした
ただ、名前を呼ぶという
ただそれだけなのに
どうしてこんなに違うんだろう。