詩人:路
本音と建て前を使いこなす術を覚えた僕は
本音も建て前も見分ける事ができなくなった
人の顔色を伺う事を身につけた僕は
自分の思いをぶつける事が怖くなった
世間体
周りの評価
気にしないと決めたはずなのに
誰より囚われ
誰より囚われていないフリをしている
大人になるにつれ
周りに対しての器は大きくなり
自分に対しての器は小さくなった
零れ落ちる
片手でせき止めても
両手ですくい上げても
零れ落ちる
建物が老朽化すると雨漏りがする様に
歳を重ねる度
僕があの頃の僕でなくなってしまってる気がする
成長というキレイな言葉は
僕には重荷でしかない