詩人:夜深
世界が染まる
春色に染まる
あたらしい気持ち抱えて
あたらしい自分掲げて
一歩 進み出た
ほんとは怖いけど
私が決めたこの道は
夜になるときっと星が綺麗
友達に久しぶりに会えた
「元気してた?」って言うあの子の第一声
「もちろん」 答えた胸が痛む
ほんとはこの春を
迎えてしまうのが怖かった
次に進んでしまうと出口が見えなくなりそうで
泣きそうなほど怖かった
夜風に吹かれて進み出たの
この道
ひとりだからさびしいけど
ひとりだからこそ進める道
一歩 また一歩踏み出すと
そこには
色とりどりの春がいる
青いまっすぐ空
青い胸をはずませて
青い若葉が風に揺れる
赤く染まるへびイチゴ
赤く燃える明日へのともしび
赤く光る夕日
水色の涙や
悲しみこぼれる灰の雲なんて
今は忘れて
ひろがる命の輝きを
身体の中 精一杯吸い込もう
素直に
素敵に
素晴らしい人生を進めるような
完璧人間なんていないよ
憧れるよりも嫉妬するよりも
もっともっと自分を輝かすことができるはず
いつの間にか 走り出した
春色に染まる世界のたったひとつの時間
この時間はきっとすぐに
桜みたいに散ってしまう 消えてしまう
この時間が散る前に 消える前に
自分を限界まで輝かせてみよう
あの銀の星みたいに あの金の蛍みたいに
自分自身燃やして 輝かせよう この道
そう思えば
この時間の自分や君が愛おしい
君に会えてよかった、と思う私は
今ここにしかいない
理想見つめて 理想高めて
まっすぐ夜空に咲かせよう
私の時間を