詩人:アマネ
君の顔なんて忘れた
逸らしてくれない瞳が恥ずかしくて
すぐにうつむいて唸ってた
君の声なんて忘れた
よく通る少し高い声が
誰かと同じアタシの名を呼ぶ事はなかった
君のくれた曲のタイトルさえ知らない
間違えて覚えた鼻歌は
ずっと間違えたまま唇で踊る
自転車の背中と煙草吸う指先と
確かに在った熱に触れたいのに
遠過ぎて手の伸ばし方さえ忘れてしまったよ
「サヨナラ」を沢山伝えて
「好き」を沢山隠した
一度だけ漏らした「会いたい」は
叶わなかったねとすら笑い合えないまま
君のいう“友達の「好き」”が
ずっと刺さって抜けない