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詩人:かし
私は今
焼かれている
太陽とにらめっこをしているかのような暑さの日
この道路は日本の西全てへつながっている
暑さで踊るナンバープレートから
めざとく見つけた不思議を問うてきた
相撲ってどこなのだろう
私が十八の頃に抱いた疑問と同じものを
この子は七歳で見つけた
陽も落ちて
ボンネットに手をついても大丈夫な頃
玄関でお迎えをもらい
私は車を停めてくるからと
田んぼを少し行った
あの子も私も祖父母が好きなのは同じだ
私も甘いものをくれる祖父母が大好きだった
あの子にとっては
怒らないしお小遣いをくれる
といったところなのだろうか
積もる話も詰まらない話も
あまり多くは出来ないものだ
場所を変えただけで
話す二人は同じ
そんなことだけなのに
何故か初々しさを感じてしまったり
今日は子どもにとってはつまないだろう
兄として妹の面倒を見てくれれば助かるが
私が嫌いだったのに
興味をもつお前はやっぱり
すごい子なのではと親バカだったりする
また来ると言って車に乗る
バックミラー越しに
昔のままの故郷が
ほんの少し写った気がした
私は愛されて生きてきて
今は愛して愛されている
そしてこれはからは
愛してだけいくのかもしれない
僕は今
焼かれている