詩人:緋文字
あなたの言葉には
短くても
いつもそこに気持ちがある
あいしてる なんて
口に出すと薄っぺらくなりそうで
言われるのも言うのも
嫌いでした
だいたい簡単に言いすぎる
いつもそう思ってました
早々に口に出す男は
早々に然るべき対処を
見透かすから見透かされる
でも そうやってきました
何度もそうやって
足りない部分は他の男で
埋めたりもして
繋ぎ合わせてやっと一つ
の男を創り
本気で向き合うことは避け
愛さないから愛されない
甘いとこだけ味わって
寂しさ紛らす程度
真剣になっては寂しくなる
そんな色恋で
ちょうどよかった
男の気持ちが理解できなくなっても
行動は読めるようになって
不満はなくても
満足もないから
一気に面倒臭くなって
どの男も
さっぱりと
忘れてしまえるのでした
いま私は
きちんとカタチどられた
愛してる
を口にしています
永遠は無くても
ずっと想い逢えるのなら
ずっと
この時間は続きます
どうかそのまま
くれた言葉通りの
あなたでいて下さい
深く響いた言葉は
互いだから在り得たと
私も
あなたも
信じて生きましょう