詩人:甘味亭 真朱麻呂
未だ背負った気持ち伝えられずに
心にしまったまま
いつも話題を変えて誤魔化してる
本当は君に伝えたいのに
なぜか面と向かうと言えなくなってしまう
気持ちはいつもくぐもったまま
胸の奥へばり付いている
言葉の一つ一つにリボンなんてつける必要はなく
選んでる場合でもないらしい
飾り付けられた
気持ちなんて伝えた日はきっと断れちまうに決まってる
そういうものらしい
いつものレストランで
食事を済ませると
君は小さな声で行きたい場所があると言った
それは去年の暮れ頃みんなで行った海岸
君は落ち着いた表情を浮かべ
僕の返事を待ってる二つの手を後ろで絡めながら
夕凪が僕ら二人の心を穏やかにすり抜けてく
君はいつも真顔で突然とんでもないことを言い出す
それでも僕はなるべく期待に応えてるつもり
いいよ
今から行こうか…。