詩人:雪 刀寿
ふわっとん
田舎の そよ風
十一月 晴れ
この世の 楽園
そう思う
のどかな 鳥の声
きちゅ・きちゅ
ときおり、前の道路を 流すエンジンが、さみしくない
のーんびり、鼻の下が のびる
ひげも そのまま
風は、北より なのに、
ときどき ミスした 窓の 操舵手が、
南に 吹かせてしまう アバウトさ
あくまでも、甘い お菓子を やき こがすような、
休日の 昼下がり
お茶の残りを 地べたに 投げたら、
小鳥が 取りに来たそうに、
せわしなく 鳴き声を出して、甘い空気を ついばんだ
田舎の すずしい風
ふわっとん