詩人:どるとる
平凡な毎日が なだらかにつづいていくことの幸せに気づけずにいた僕は何を求めていたのか
今日もどこかで誰かが生まれ
同じ一日にどこかで誰かが死んでも
僕の中の何が変わるわけじゃない
むしろ何も変わらない
僕には関係ないのさ
すれ違う人々誰もが命という名前の時限爆弾を抱えているんだ
いつか時が来れば 跡形もなく 消え去ってゆく それが宿命なのさ
淀みなき永遠の中をさまよう 小さな小さな微粒子のように
僕も永遠の命が約束されていたならきっと死を望んだでしょう
結局僕は何もかも
運命に救われてる
すべての夜と朝を
食い尽くしたら
僕はどこに旅立って行くのかな
行き場のない思いさえも空の上にのぼるかな
今はただ 草をかき分けるように見えない明日におびえながら
生き方を探してるんだ
振り向けばそこに明日があり
向き直ればそこに今日があり
見上げればそこに青い空がある
繰り返し繰り返し
繰り返し繰り返し
僕は何度でも何度でも何度でも目覚めて
何度でも何度でも
眠るのさ
そしてやがて
いつか気づくよ
ああ 今があることの喜び 誰かといる喜び
生きている幸せ 同時に浮かぶ 生まれたことの喜び
二十数年の旅が今
笑顔で満ちてゆく
涙でにじんでゆく
定められた答えなどないけれど 今がある それだけでどうにでもなっていくさ
僕はとりあえず笑うことにした。