詩人:どるとる
僕ら人間は思うよりずっと悲しい立場にあるのさ
生きることはね誰かが思うよりもずっと難しいものなのかもしれないんだ
耳にたこができるほど聞かされてきた常識の正しさを今怪しんで
見つめてるその先に見えるまかり通っている邪な正義に感じてしまうよ
悲しみ…
人々は誰も皆
それぞれの切なさを抱えているんだ
おなじようで全く違う色をした切なさを
立ち止まった僕が立ち止まればまた僕の影も立ち止まる
ほら今日も陽が落ちる
それぞれの悲しみ
それぞれの涙
それぞれの出口
今日も生きていくその中でかいま見たよ
悲しみという名の風景
切なさという名の舞台
思わず目を背けたくなる修羅場みたいな劇画調の現実
血しぶきさえも
白黒でごまかす世の中が憎いよ
僕らの傷跡の痛みを見ようともせずにただくだらんで終わらす世の中が…
そんなこと言ったって始まらないのはわかってる
何十年も前から
だけれど
気が収まらないのさ
悲しみの風景
まのあたりにしてしまったからには
目はつぶれないよ
見て見ぬフリはできないよ
それだけその風景は…
痛みが加速度をあげて走り抜ける日々
少しずつ世の中に対しての疑惑と嫌悪が募る中仕方ないかなとあきらめようとする自分が見え隠れ
本当 もどかしいね
権力の前にひざまずくしかないのか
自分の不甲斐なさに泣きたくなる
悲しみという名の風景を前にして
またもらい泣きで同情するばかりの自分にあびせる言葉もない
ただ立ち尽くす
弁慶の仁王立ち
すねどころを隠したまま。