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詩人:望月 ゆき
ねえ、
こんなふうに光る
赤信号の交差点でも
きみは 遠い場所へはせるの
さっきまで
胸をかげらせていたニュースも
アドバルーンの空気といっしょに
ぷすぷすと
消えてしまった
ねえ、
向かいのビル窓の太陽
それをつらぬく白虹をみたとしても
ぼくを うらぎらない、って
誓えるかい
ぼくは、どこにいても
ぼくは、変わらずこんなんで
だから
フルスピードの、Tokyo
青信号でばかり
立ち止まってしまうぼくを
知らぬ顔で
フルスピードの、Tokyo
ひとりっきりでも
笑えてしまうよ