詩人:どるとる
会社からの帰り道
お父さんはおでん屋の屋台を見つけて
今夜は飲んで帰るかなって 熱燗飲んではんぺんと大根を食べた
今夜は長い夜になる
なんだかいつもより気持ちのいい夜
同席している 口数の少ないおじさんと 屋台のオヤジと三人で世間話や奥さんの悪口や文句に夜遅くまで花を咲かせた
赤提灯ともる
優しいぬくもりに
今夜も誰かが
足を止め
赤提灯にさそわれて暖簾くぐればつい飲みすぎる
今夜はベロベロになるまで 飲んで飲んで飲み明かすんだ
口数の少なかったおじさんも酒が入れば
奥さんの文句も
世の中への愚痴も
僕と同じように
腐るほどあるじゃないか
今夜もみんな 赤提灯見つけりゃ 財布の中に金がありゃ
なぜか理由は様々でも 酒が飲みたくなる
会社での鬱憤晴らすためって人もいるし
純粋に仲間と飲みたいって人もいるだろう
僕はあの赤提灯に優しさを感じたから
さそわれたんだ
今夜は飲んで飲んで飲んで飲みまくって
ベロベロになるまで
奥さんの悪口も言い
世の中への愚痴も言い 胸の中にたまってるイライラを全部吐き出すんだ アルコールに今夜は寄りかかって
赤提灯にさそわれて
僕も飲みすぎるだろう
酒といっしょに悲しみも飲み干すんだ。