詩人:まとりょ〜鹿
受話器越し
なんか切ないねって君が溜息を吐いた
ワケを尋ねるタイミングは無く
通話はオフになってた
お互いの生活もあるしと気丈に振る舞う君の笑顔は
こんなにも遠き日のように感じさせていた
夏が終わり
なんとなくノスタルジックな気分にさせる秋になった
髪を切りに行くタイミングすらも分からず黙々と日々をやり過ごしてきた
誰かが言った
“会えない時間が愛を育てる”と
君の笑顔が見たくて夜中会いに行ったのに君はちっとも楽しそうじゃなくて
互いに社交性を試されるが如く余所余所しい会話を口を吐いて出て
僕たちはちょっと前までどんな会話を折り重ねてきたんだっけ?
君はちょっとだけ無表情が上手になってた。
恋が終わる
君が笑わない
僕は笑えない
いっそのことちゃんと三行半を突きつけてほしい
君が僕の口から聞きたいんだとしたらあと少し待ってて
最後まで情けないやつでごめんね
僕は嘘の笑顔や嘘の感謝なんてやっぱり口に出来ない
綺麗なままで恋が終わるだなんて
それこそ詭弁な気がしてならない
今は何も言えないよ。支えてとも言えない。
いつになれば報わないすれ違いを止めて、愛が育つのか誰か教えてよ
君の特別じゃなくてごめん。
僕の特別って言えなくてごめん。
報わないすれ違いが僕らの成長を止める。愛なんて育たなくても、まだ踏ん張っていたい。ごめんね