詩人:高級スプーン似
誰かの投げた言葉が
たまたま通りかかった
誰かに当たった
目には目を
言葉には言葉を
本人なのか誰かなのか
傷ついた誰かは
言葉を投げ返した
あなたの選んだ言葉が
どれだけ正しくても
わたしの投げた言葉が
どれだけ汚くても
誰かにとっては
たぶん一緒
当たれば痛いの
痛いの
痛いの
飛んでかないの
どこにもいかない痛み
ずきずきと
左胸をノックする
誰かを傷つけたのは
あなたですか?
それとも
わたしですか?
開いた左胸のドア
そこには誰もいなかった
ここにはいない
それは
心にない言葉
投げた瞬間
出ていった
わたしやあなた
どこか遠くへ
誰かの元へ
だから
耳を澄ませた
聞こえてくるまで傾けた
もう投げないで
わたしをあなたを
大事にしてね
自分自身を
見つけたそれは
心からの言葉