詩人:どるとる
おはようとおじぎして 今日も あいさつを言い交わす 僕らの日常 回る時計の針
行儀よく座ってる
椅子の上 でかいケツを乗せて
やることもなくただ
暇つぶしに講じてる
空は飴色 あかね色
どことなくセツナイロ
さようなら 言い交わす 別れの言葉 でも明日になりゃまた会える でも今日はさようなら
真っ赤な空が 夜の腹の中におさまって
真っ暗な夜が やって来ました
今日笑ってた人
泣いていた人
すべての人に訪れる
この夜が誰にでも
優しく あたたかい夜でありますように
流れ星に祈るんだ
今日誰かが死んでも
今日誰かが生まれても おなじように回る世界 速さも変えずに 何事も無かったように明日になればまた夜明けが訪れて
太陽が輝く朝が来る
神様のてのひらの中で 僕の命は握られて いつ 死んでもおかしくないけれど
悲しいことがあってもまだ死にたくないなあ
だから生きる日々
神様のてのひらの中で 地球もろとも やがて 滅び行くその日まで 僕らの日常はどこまでもつづいてく
砂時計は何度も何度もひっくり返されて
落ち続ける時間の砂に埋もれた命が今日も 静かに目を閉じるでしょう
その人に朝がやって来なくても きっとその人を覚えている人がいるかぎりその人は本当には死なない
僕はひとり
何もない夜の道に
影を落としポツリ
空を見上げる
一番星さがす
神様のてのひらの中で 生まれた命が
神様を裏切るように
神様じゃなく
母を愛し
父を敬い
今日も生きてる
胸の中で リズムを刻む 鼓動に合わせて
唄うように
さすらうように
たゆたうように
今日も明日も
僕は生きてる
時計の針は 十二時を指し示して 鈍い音を立てる
そしてそんな事を繰り返してやがて 僕は歳を食い尽くして
神様のてのひらの中で目を閉じる
それでも僕は神様なんか信じない
僕が信じるのは目に見えるものだけ。