詩人:どるとる
羽をもがれた蝶のようにもがいている
社会の中で 居場所を探して あがいている
見るもの聴くもの
すべてなんてくだらないんだろう
誰かと仲良くするのももうやめたやめた
僕らは腐った生ゴミのように もう使い物にならない理性を抱きしめたまま
灰色に濁った空を日が暮れるまで 独り眺めていた
もうこの世界に
未練などあるはずもないのになぜか
もう少し あなたの声を聞いていたいんだ
見る人によりゃ地獄にも天国にもなる
この世界の掟に従って歩くのももう疲れ果てたけど 生きることを選ぶなら仕方ないね
僕にはもう 進むべき道などない
ただまっすぐ のびた獣道を 歩いていくしかない
明かりひとつない
僕の人生に もしも救いがあるとするならばそれは きっと
あなたの笑顔
そしてあなたの優しいその声なんだろう
確かなことは何もわからないけれど
生きることの喜び
人を愛する喜び
信じることで見える明日があるような
気がするから
僕の頭の中の時計は もう動かない
同じ時刻で止まったまま もう誰も信じられないはずなのに
裏切ってきた数だけ
信じられて
傷つけてきたはずの
愚かな僕でさえ あなたはまっすぐに見つめてくれる
特別なものなど何もないけど
僕を照らす 光よ
どうか 願うなら
ずっとこのまま
僕だけを照らして。